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南東北で最も有名で観光客の絶えない「大内宿」がありますが、この前沢集落も大内宿には負けない規模をもつ茅葺きの里です。しかも、大内宿のほうは重要伝統的建造物群保存地区に指定されている一方で、前沢集落は住民の自主的な行動によって茅葺きの家屋が維持されているのです。
前沢集落は明治40年、大火災により神社、寺を含めて全戸を消失してしまいました。しかし近在の大工集団を中心に、村人総出の復興作業により僅か1年で集落は再建されました。それゆえに、前沢は整った統一的景観になっていたのです。
前沢集落のもう一つの特徴は23戸のうち10戸が曲家である事。曲家は岩手県に多く見られる南部曲家とは若干異なり、中門造りと呼ばれる造りです。
曲家は主屋と馬屋がL字型に結合されており、生活に欠かせない馬と共に暮らす先人の知恵でした。しかし、今は馬の姿は無く居住空間や倉庫に改装されています。
ちなみに、前沢は江戸時代からある村名で、ずばり集落の前を立岩川が流れていることに由来します。 |
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