埼玉の奥座敷、秩父は関東の代表的巡礼である秩父霊場信仰によって栄えた門前町・宿場町そして市場町といくつのも顔を持つ山間都市です。8世紀ごろ平家が中村郷と呼ばれたこの地に土着して秩父氏を名乗ったのに始まります。
水田面積の少ない秩父地方は生糸や紙の生産に適し、江戸時代に秩父を支配した忍藩の需要な経済基盤として保護殖産されていきます。
忍藩は大宮郷(秩父市大宮)に陣屋を置き、同地域を特例区として、産業や商業の発展に尽くしました。六斎市にはじまった商取引の中心は絹織物中心にシフトし、やがて「絹大市」が開かれます。
現在の旧秩父往還沿いには絹仲買商だった商家をはじめ酒蔵など往時を偲ばせる街並みが残されています。表通りから一歩裏道に入ると、また違った風景がそこにあります。
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