借宿は現在の中軽井沢にあたる沓掛宿と追分宿の間に置かれた小さな宿場町でした。
「かりじゅく」ではなく「かりやど」と呼びます。
借宿は軽井沢地域内の旧宿場の中で比較的往時の面影を残している集落です。
この小さな宿場町は正式な宿駅ではありませんでした。中山道の間宿という位置づけの一方で脇往還である姫街道の入口集落として賑わいます。
この借宿から和美峠を越えて上州下仁田へ通じる「女街道・又は姫街道」は取締の厳しい横川の関所を避けるため多くの女性達が通行した事からそう呼ばれていました。
もっとも利用者は女性だけに限らず、老若男女多くの旅人がこの姫街道を使った為に、中山道の軽井沢3宿(追分・沓掛・軽井沢)の経営を圧迫、しばしば訴訟にまで発展しました。
江戸時代には茶屋、穀屋、酒屋などの商家があったとされていますが、今も杉玉を軒先に吊した旧造り酒屋や旧家が残されています。
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