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  遠山郷下栗
とうやまごう しもぐり
 遠山郷・神の村・天空の集落
 長野県飯田市上村字下栗 【旧・長野県下伊那郡上村字下栗】2005年合併
構成:切妻石置き屋根民家(下栗) 駐車場:なし (下栗の里駐車場)
 
 

長野県・静岡県・愛知県にまたがる「遠山郷」と呼ばれる地域があります。その名の通り、遠くて奥深く南アルプスと伊那山脈に囲まれた信州遠山郷北部の村が上村です。この地域は南信州と三河・遠州に交わる事から三遠南信地域とも呼ばれます。

上村はその言葉の響きから「神の村」とも呼ばれていました。村役場がある市街地は上町と呼ばれ、古くからの信仰の道である「秋葉街道」の宿場町として発展した町です。

その上村には標高800m〜1100m、傾斜38度の山の急斜面に家々が点在する「下栗地区」には「日本のチロル」とも「天空の里」とも喩える集落が存在します。
平家の落人伝説のようなものは聞かれませんが、このあたりでは縄文時代の土器が出土するなど、古くから人々が自然の恵みを求めて暮らしてきたようです。

集落は本村・半場・屋敷・小野・大野などが点在しています。
家々は急傾斜地の為、山側を切り取り、谷側に石垣を積み上げ、等高線状に敷地を広げている事から奥行きが狭く横に長い造りなのは、この下栗に限らず西日本の天空の集落に共通する生活様式です。山側の建物裏手に泥水などが入り込むのを防ぐために、"ネコビサシ"と呼ばれる庇が設けられています。また建物の屋根勾配は緩く地形と、いや自然と一体になっています。

この地域は日本列島の東西の異なる地層が境界の大断層「中央構造線」が縦断している場所で、非常に地盤が不安定でかつもろいために道路の建設が困難となり、険しい林道で山をいくつも越えないと辿り着く事ができません。(近年・高規格道路の建設延伸により飯田方面からのアクセスが容易になりました。)

まさに神に意志よって閉ざされた「上村」。そして神々の里「下栗」。ここが「日本の最後の秘境」と呼ばれている場所です。

 
下栗本村からさらに奥の屋敷地区から南アルプスを望む
 
下栗本村のさらに上の半場地区