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  巻町福井
まきまち ふくい
 福井酒造と北国街道の宿場町
 新潟県西蒲原郡巻町福井

 構成:本棟造り・茅葺き民家・酒蔵  駐車場:なし
 
旧庄屋の佐藤家邸

巻町の市街から日本海へ向けて走る国道460号線。五福トンネルの手前に旧街道の雰囲気を残す福井集落があります。福井は旧北国街道の宿場町でもありました。

北国街道は古来より、たびたびそのルートを変えるので記録はあまり残されていませんが、ここ福井宿は正式な宿駅では無く、おそらく岩室温泉のある岩室宿と 稲村(とうむら)宿との間の宿的な街道集落だったのでしょう。
ただし、江戸時代後期になると、隣接する峯岡の地に長岡藩の支藩である三根山藩の陣屋が置かれ、この地域は三根山藩の城下町だった時期がありました。
三根山藩は幕末に困窮した宗家長岡藩に対して「米百俵」を送った藩として知られています。三根山は明治になり丹後峰山との混同を避けるために峰岡と改称されました。

福井の地名は古来の越後で最初に誕生した国、高志深江国の深江が転じたものとする説があります。ちなみに角田山を挟んだ対麓に越前浜という地名もありますが、こちらはずっと先の近世に越前国の郷士が移り住んだ事に由来します。

国道脇に「峰乃白梅」の福井酒造があります。地味な蔵ですが、実は「越乃寒梅」「雪中梅」とならぶ「越後の三梅」と称されるほどの有名な蔵でした。もともとの酒銘は「福井」だったのですが、福井県の酒とよく誤解を受けたために、今の名前に変更したといいます。

 
 


巻町福井の酒蔵          
清酒 「峰の白梅」 福井酒造 新潟県西蒲原郡巻町大字福井1833 0256-72-2839