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  上円井
かみつぶらい
 甲州街道と西郡路の合流地
 山梨県韮崎市円野町上円井

 構成:長屋門・土蔵・古民家 ■ 駐車場:なし
 
 

内陸部に位置する甲州やさらに信州方面へ太平洋沿岸の地域からの海産物や塩を運ぶ道の一つに駿州往還があります。駿州往還は静岡県の富士川町から富士川に沿って甲州へ通じる道で、現在の国道52号線にほぼあたり富士川街道とも呼ばれています。
江戸期になると富士川舟運が整備され大量輸送が始まりますが、舟で運ばれた物資は鰍沢河岸で陸揚げされ陸路で運ばれました。街道は鰍沢の先の青柳宿で甲府城下へ通じる駿州往還本道と諏訪や佐久方面へ通じる駿信往還に分岐します。駿信往還は荊沢宿でさらに韮崎を経由して信州佐久へ通じる佐久往還と曲輪田・武田・円井を経て甲州街道に合流し諏訪方面へ至る2つの信州往還に分かれます。そのうち現在の主要地方道韮崎櫛形豊富線にかさなるルートを西郡路(にしこおりじ)と呼びました。

上円井は甲州街道の宿場町ではありませんでしたが、西郡路との合流地として街村が発達したのではないかと思われます。この小さな集落にも海鼠壁土蔵造りの建物が街道風景を偲ばせています。