常陸太田市の郊外にひっそり佇む町屋町は、棚倉街道の宿場町として栄えた町です。
棚倉街道の歴史は古く、平安時代には源氏が戦国時代には佐竹氏がこの街道を北上して奥州へ攻め入りました。江戸時代は参勤交代の道となり町屋には本陣も置かれていました。かつて本陣を務めた平山家は幕末の万延元年(1860)に酒造業を創業し、近年には「悪代官」というユニークな銘柄を登場させ、酒造局管内の監評会で金賞を受賞するほどえしたが、残念ながら2000年に廃業してしまいます。
「悪代官」の酒銘はその後、同じく常陸太田市の大手酒蔵・岡部合名会社に引き継がれています。
町屋にはもう一見酒蔵があります。街道から少し反れた高台に建つ檜山酒造は明治20年(1887)の創業で、清酒の他焼酎なども造り、県内で唯一ワインの製造も行っている精力的な酒蔵です。
宿場町時代の面影を残す旧街道沿いには。今も造り酒屋や納豆・豆腐店、雑貨店に鮮魚店がならんでいますが、かつては旅館や映画館もあったそうです。
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