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  伏木
ふしき
 今も伏木富山港の一翼を担う、北前船で栄えた加賀河西七浦のひとつ
 富山県高岡市伏木湊町・伏木中央町・伏木本町・伏木錦町

 構成:町家・商家・洋風建築・廻船問屋屋敷・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 
伏木は高岡市の北東臨海部、小矢部川河口に位置し、伏木富山港の一翼を担う湊町 。
伏木には「伏木古府」や「伏木一宮」といった地名が物語るように、古代越中国国府が置かれ、伏木津はその港町として栄えた歴史を持ちます。ちなみに当時は伏木ではなく亘理津 (わたりのつ)と呼ばれていました。

長い時と経て、江戸時代における高岡の外港は、小矢部川を遡った南西約5kmに位置する木町がその藩港であり、数々の特権を有していました。しかし小矢部川の改修による、水量の減量と船舶の大型化により、木町はその機能を担えなくなり、次第に港町の特権は河口の伏木に移されていきました。
やがて伏木は富山と大阪を北前船を介して繋ぐ港町として発展していきます。
また伏木は加賀藩の指定港のひとつ河西七浦だけでなく、数少ない佐渡通航が許された江戸幕府13指定港の一つもとなります。

やがて明治後期から相次いで工場が設立され、伏木臨港工場地帯が形成されていくと共に、港町の機能は富山湾に面した北側に築かれた伏木万葉埠頭に移され、かつて栄えた伏木湊町はのどかな臨海集落に落ち着き、古い伝統的な家並みに加え、大正レトロの面影を残す地域として今に続いています。

伏木本町にはわずかに町家形式の建物が残る
港の近くにはレトロ建築が見られる
 
伏木古国府にある廻船問屋の屋敷(旧秋元家)