名阪国道関ICを降りて、芸濃町の椋本宿へ向かう途中に小さな街村があります。
この楠原集落は、古くは伊勢別街道の宿駅の一つで、椋本宿の補助的な宿場と言われており、江戸期には問屋場や高札場が置かれ、家数は154軒、人口は563人の集落でした。
町並みはゆるい坂道の両側に千本格子の仕舞屋が軒を連ね、集落の中央部で道が直角に2度折れ曲がる「桝形」が残されています。江戸期の建物は少ないですが、比較的新しい建物も景観に会わせ平入りの木造建築とし、町並みの景観を守っています。
町のガイドにも紹介されていない隠れた街並みですが、住民の伝統や歴史に対する高い意識が、今なお宿場町の面影を残す街並みを形成していく要因になったものと思います。ちなみに椋本宿の地名の由来になった天然記念物である大ムクは知られていますが、この楠原の楠の木はどこかにあるのでしょうか?
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