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  二本木
にほぎ
 初瀬街道の宿場町
 三重県一志郡白山町二本木 【長野県】年合併

 構成:商家・町家土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 
伊賀国と伊勢国の国境に接する白山町。その中心市街である川口には、古代律令時代に「川口の関」が置かれていました。川口の関の名は万葉集にも見られ、聖武天皇がこの地に滞在した旨が歌われています。奥伊勢の谷口集落である川口には、いつごろからか白山信仰が盛んになり、数多くの白山比め神社が町内に点在します。白山町という町名はそれに由来します。

二本木へは当初、美杉村、伊勢奥津への街道筋の宿駅のつもりで訪れましたが、国道沿いの川口中心市街にそれらしい面影を見つけることができす、改めて調べ直してみると近鉄大阪線大三駅付近に往時を偲ばせる町並みが残されているという事で、急いでその場所へ向かいました。
初瀬街道・国道165号線から一歩入った旧道筋に商家や土蔵、旅籠建築が残る一画を見つける事ができました。そう、この集落こそが初瀬街道の宿場町だったのです。

二本木宿があった場所は当時大村と呼ばれていました。古くから大きな集落であった事に由来し、周辺10ヶ村を支配する地方行政の中心地として、大庄屋や代官所が置かれていました。江戸期の大村宿の規模は家数221軒、人口は1087人。3軒の旅籠屋と商家が軒を連ねていました。参宮講の定宿であった「枡屋」には今も講中札28枚が残されています。

しかし大村は大正6年の合併で大三村が誕生した際、大三村の大字に大村というのは混乱を招くという事で、江戸期の宿場町に使われていた二本木という地名が復活して大字となったのです。

さて、当初の推定であった伊勢奥津へ至る道、現在の主要地方道久居美杉線は、江戸期に新初瀬街道として整備された道で、伊勢本街道へのバイパス路でした。
二本木は初瀬街道と新初瀬街道の分岐でもあったのです。

 
 
 

二本木宿に残る旭屋旅館

白山町の酒蔵          
清酒 「明乃春」 海野酒造 三重県一志郡白山町南家城1074-1 05926-2-3018