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和歌山県かつらぎ町妙寺から、かつらぎ山脈を越え河内長野にいたる、主要地方道堺かつらぎ線。和歌山県側の急峻な山岳農村地帯を駆け登り、蔵王峠を越えると、急な環境の変化に驚いています。
木々が深く生い茂り、暗く、涼しく、マイナスイオンが充満した石川沿いの渓谷の急峻な山道を下って行きます。蔵王峠は石川の水源で、この清流が下流に到達するまでにいくつもの支流が合流していきます。よってこの渓流沿いには滝が多い。大滝、御光滝、荒滝・・・などなど。
そして深い森林を抜けると、7つの集落からなる滝畑地区に辿り着きます。
滝が多いことに由来する滝畑には18世紀ごろに建てられた茅葺きの民家が多く残されています。おおよそ、大阪府下にこのような隔絶された秘境集落が存在する事自体が驚きでしたが。
滝畑地区の大部分は昭和48年に着工した滝畑ダムの湖底に沈み、文化財級の一部の民家(旧梶谷家)は民俗資料館として移築され公開されていますが、周辺には現役で人が生活している民家も多く残されています。なかでも左近家住宅は国の重要文化財に指定されています。
平地の少ない山村特有の横割妻入構造で滝畑型住宅と呼ばれる、大阪府下ではここだけにしか見られない造りだとか。
古くから山林や炭・茶・凍り豆腐など産物にも恵まれ、近江膳所藩領時代は藩主の狩り場として保護されていました。また古来より修験道の里であり、葛城修験道二十八宿中、13宿むかしのたわ、14宿光滝寺などが渓谷の上流にあります。
ダム建設によって道は整備され、河内長野市街からのアクセスは容易となりましたが、それでもここは奥河内の秘境の里には変わりありません。
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