鴨川に架かる五条大橋と七条大橋の間に、正面橋という小さな橋が架かっています。この正面橋から続く路が正面通です。通りの名の”正面”とは、東山区にある天台宗方広寺の大仏の正面から始まる事に由来します。この方広寺門前の大和大路通から鴨川を渡り、東本願寺を越えてJR丹波口近くの揚屋町通・千本木通まで続く約4.3kmの路ですが、途中渉成園(枳殻邸・きこくてい)・東本願寺・西本願寺によって中断されています。
正面通は平安京の七条坊門通にあたり、その後御前通、中珠数屋町通などとも呼ばれています。御前通の名は本願寺に突きたる事から呼ばれた名で、京都西部を南北に走る御前通とはまるで別の路です。また、東本願寺とその飛び地である渉成園の間は中珠数屋町通とも呼ばれ、仏具店や法衣店が多く見られます。
ちなみに鴨川、鴨川疎水、高瀬川に掛かる橋はすべて正面橋と呼ばれていますが、それぞれ別称もあって高瀬川に掛かる橋を中口橋、鴨川に掛かる橋を勧進橋と呼ぶのですが、やはりみな正面橋です。
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