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萩原宿の「札の辻」
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奈良平野の桜井から長谷寺門前町の初瀬を通り伊勢へ向かう国道168号線はやがて榛原町の萩原で二手に分かれ、そのすぐ先でさらに二手に分かれます。地図で探すと国道が一見五叉路になっているのですぐに分かります。
榛原町萩原は古くから交通の要衝であり、伊勢街道の追分宿として賑わい、在郷町として宇陀郡の中心地でした。現在萩原は桜井市のベッドタウンとしてニュータウン化が進んでいます。
近鉄「榛原駅」の東側、国道168号線に平行する旧道沿いに古い街並みが残されています。国道168号線を古くは長谷寺参道である事から”初瀬街道”と呼び、ここ萩原の辻で曲がり、三重県青山町阿保を経由して伊勢へ向かうことから”阿保越道・青越道”と呼ばれ、伊勢街道三筋の一つとして”伊勢北街道”とも呼ばれていました。一方、初瀬街道を榛原の辻でまっすぐに進み、険しい山間を縫って伊勢奥津経由で伊勢へ向かう道を”伊勢本街道”もしくは伊勢三筋の真ん中なので”伊勢中街道”とも呼びます。
萩原新町の三叉路”札の辻”は旧南都銀行の洋風建築が目印です。その角には「右いせ本かい道」「左あをこ江みち」と刻まれた道標が立っています。正面に立つ往時の姿をとどめた旅籠「あぶらや」。隣には旧鳥見酒造の商家。
この札の辻から奈良方面、三重方面と「L型」にそれぞれ約200mほどに古い街並みは続いています。道は北・東ともに起伏があり緩やかにカーブしているので町並みに変化が見られますが、札の辻から遠くなるほど建物が新しくなっていきます。この札の辻の北側にある重厚な旧庄屋の屋敷。国道との交差点に建つ蔵屋敷は旧造り酒屋か?かつて参詣客で賑わい、宇陀郡の中心として栄えた宿場町・在郷町萩原に現在酒蔵は一軒も残されていませんでした。
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