|
|
初瀬は真言宗豊山派総本山・長谷寺の門前町です。西国三十三カ所観音霊場の第八番。長谷寺の草創に付いては不明で諸説がありますが、朱鳥元年(686)に僧侶・道明が開基したという説が有力とされています。
中世には長谷詣に加えて伊勢神宮参拝が広まり、その順路にあたる初瀬地方は一層賑わいます。この参宮道が近世の伊勢本街道の前身で、室町時代には「初瀬越」とも称されました。長谷寺門前には参詣客や旅客を目当てに商店が並びはじめ、次第に町場がつくられていきます。文明元年の大火では町場120軒が焼失したと記録があり、当事の門前町の規模がうかがい知れます。江戸時代には高取藩主の参勤交代の宿場町として本陣・脇本陣が置かれていましたが、現在その遺構は残されていません。
幾度もの火災を経験したせいか、初瀬の町家や商家は土蔵造りや塗籠造りが多く見られます。おみやげ屋などは長谷寺の山門近くに見られだけで、参道沿いには厨子二階に虫籠窓、袖卯建など重厚な建物が数多く残されていました。また、新たな建物もその町並みに合わせた意匠にされており、町並みの修景が進んでいます。
|
|
|
|
|
|