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聖徳太子によって創建された斑鳩寺のちの法隆寺は、その雄大さと荘厳さによって奈良を代表する寺院に位置していますが、人工的な鮮やかな伽藍とは対照的に周囲を囲む素朴な築地塀が一歩外の風景とみごとに調和し、寺の長い歴史のなせる技と感じ入ります。法隆寺の西側、西大門を一歩外に出ると法隆寺の築地塀の延長線にあるような家並みが連なります。
この集落はかつて西郷と呼ばれ、法隆寺の東に形成された東郷と共に宮大工集団が居を構えた門前集落でした。現在西郷は法隆寺西1丁目という番地になっていますが、
「西里」という名は通称地名として残り、歴史的な集落として行政にも認識されています。このような集落が一般的なガイドブックに載っていること自体珍しいのですが法隆寺とセットで歩ける古い町並みという事なのでしょうか?
築地塀と土蔵の町並みとして知られていますが、なかなか厨子二階の塗籠造りに本瓦むくり屋根と来たうえに越屋根と虫籠窓が付いた伝統的な民家も残り、手入がされた庭木や千本格子の雰囲気など。大工集団という職人的な感性よりもどこか文人の住む裏路地的な気品さを漂わせている集落でした。
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