|
|
大阪・奈良方面から伊勢神宮へ通じる信仰の道「伊勢街道」は榛原で宇陀川沿いに伸びて青山を経由し伊勢へ至る、現在の国道165号線にあたる伊勢街道(又は青越え道ないし伊勢北街道)と同じく現国道369号線にあたる、険しい山間部を経由する伊勢本街道に分かれます。高井は山間部を通る伊勢本街道筋の集落でした。榛原をでた伊勢本街道は檜牧・自明・高日の集落を経由して赤埴宿へ至りました。この高日という集落がおそらく現在の高井ではないかと思います。高井という地名は「高地にある井戸」に由来するとい言うように、内牧川段丘上へ伸びる旧街道筋に緩やかなカーブを描きながら形成されています。現在高井地区には伝統的な厨子二階の民家に加え、現在も民宿を営む旅籠建築が軒を連ねる風景が残されています。しかし、高井が当時伊勢本街道筋の宿場町だったという記録は残されていません。
高井はもう一つ、伊勢本街道から逸れ室生寺へ至る室生道(室生古道)の玄関口でもありました。まだ、現在の近鉄大阪線が開通する以前に室生寺へ訪れる道筋はこの室生道しか無く、対象時代の初めまで多くの参詣客がこの道を利用したと言われます。
したがって、現在残る宿場町を思わせる佇まいは、そのころに建てられたものでが無いかと思います。
|
|
|
|
|
|