城下町備中高梁と在郷町落合を結ぶ落合往来を現在の国道313号線はほぼ踏襲しています。北房町中心市街から南へ約2kmほどの旧街道沿いに、かつての宿場町で市場町としても栄えた下中津井があります。
また藩政期に、備中松山藩主石川総慶が伊勢亀山へ移封となった際、この地域1万石はそのまま残され、伊勢亀山藩の飛地として下中津井代官所が置かれた事により、政治経済の中心地として発展しました。
藩政期の市場町としては、7月5日の莚(むしろ)市、12月15日の鯛市、12月25日の鰤市があり、中でも鰤市は周辺
の村々でも開かれる連鎖市として特に賑わいを見せたといわれます。幕末には煙草の生産地としても栄えますが、いずれも明治になりそれまでの政治体制が変わると、下中津井は急速に衰退していきました。
現在国道から反れた旧道には、かつての面影を残す集落が形成されていますが、伝統的な建築物は僅かしか残されていません。それでも行政の手によって修復保存が行われていました。
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