日本にはいくつかの「天空の村」と言われる高地の集落がありますが、ここ十根川は宮崎の天空の村として隠れたスポットとして有名です。
十根川中流左岸の山の斜面に形成された十根川集落。同じように天空の里として有名な長野県上村の下栗集落がありますが、十根川集落は斜面に城郭の様な石垣を築いて竿家造りの民家が密集している点が特徴です。
集落内の石段や石垣のスロープなど観光目的で整備されている面もありますが、集落を保存していこうとする姿勢があり今後も存続していく可能性が高いと思います。ただ、十根川集落は標高約900mの地にありますが、深い山間の麓に立地している為、長野の下栗にくらべ天空の里とは呼びにくい所が正直な感想です。
竿家造りとは狭い斜面に家を建てる山間部の民家の特徴で、並列型民家ともいい、部屋を横一列に並べた構造をいいます。傾斜地では背面の土地を垂直に削り、石垣を築いて土地を確保しています。
集落の正面にある十根川神社境内の樹齢100年の大スギは、日本三大大杉に匹敵する規模のもので、椎葉に伝わる平家伝説の那須大八郎によって植えられたとされています。また、十根川集落の村民は大半が那須姓であり那須大八郎の子孫であるという強い誇りを持っていると言われています。
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