室生寺で有名な旧宇陀郡室生町の三本松地区は旧伊勢街道(初瀬街道)に沿って断続的に集落が連なり発展した地域でした。今も旧街道に沿って西から元三・琴引・中村・長瀬の4集落が連なり小字として地名が残ります。近鉄大阪線三本松駅の西側、国道165号線から宇陀川沿いに反れた旧道に長瀬郵便局のある集落があります。 この三本松地区で郵便局があるのは三本松局と長瀬局の2つのみ。
この長瀬は江戸時代は長瀬村といい、伊勢街道に沿って宿場や茶店が並ぶ街道集落を形成して発展しますが、江戸中期から後期にかけて、長瀬上村(琴引)・長瀬中村(中村)・長瀬下村(長瀬)・古大野村(古大野)・髭無村(元三)と分村し、明治8年にこの5ヶ村が再び合併して三本松村となりました。長瀬中村には本陣と呼ばれる施設もあり、宿場町に準ずる場所として認められていたようです。
長瀬は伊勢街道に沿って発展した町場の中心部でしたが、後に鉄道が開通すると、その駅周辺に中心が移り、旧道沿いに取り残される形で、往時を偲ばせる家並みが今も残される事となったようです。
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