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  鷲家口
わしかぐち
 国境を接する奥吉野の要衝
 奈良県吉野郡東吉野村小川
商家・旅籠建築・土蔵  東吉野村役場  近鉄大阪線榛原駅からバス
 
 

東吉野村はその名のとおり、吉野郡の東端に位置して三重県に接する山間の村で、村域の約95%が山林で占められ、古くから林業を生業としていました。
現在町役場がある中心地の小川地区の名は吉野川支流高見川を古くは小川と言った事に由来します。この高見川に鷲家川が合流する場所に町の中心があります。
鷲家郷の入口にあたり、鷲家口がその中心でした。旧暦盆前の12日と同じく旧暦正月前の26日に市が立って賑わっていた。

東吉野村は近年では日本で最後のニホンオオカミが捕獲された地として記憶され、幕末には天誅組終焉の地としても知られている。
中世までは小川荘と呼ばれ、興福寺・大乗院門跡領であり、戦国期まで小川氏が代官、部将として支配していました。
江戸時代には伊勢参詣と紀州藩主の参勤交代路である和歌山街道(伊勢南街道)が通り、川上奥郷を結ぶ川上街道が合流し、また吉野杉を筏に組んで川下へ運ぶ高見川水運の要衝として発展します。奥吉野の林業は江戸期ごろから始まり、それは灘や伏見の酒蔵の酒樽需要に呼応したものでした。

東吉野村は吉野郡に属していますが、生活面では宇陀郡との結びつきが強く現在も警察署や土木事務所などは宇陀市の管轄にあります。またこの村へのアクセスも吉野では無く、近鉄大阪線榛原駅からバスとなっているのです。

 
 
 
 
鷲家川沿いを通る県道沿いの鷲家谷集落