原酒(げんしゅ)
発酵を終えた最終段階の日本酒は、アルコール濃度が醸造アルコールを加えた場合も含め、おおよそ18度から
20度ほどあります。これに水を加え(割水という)
税制基準である15~16度に調整します。しかしこの割
水を行わないで原液のまま製品にしたものを「原酒」といいます。アルコール度数により課税も高くなるので、
当然値段も若干高めになりますが、凝縮された濃厚な味は食中酒よりもグラスにロックで飲むのに向いてます。
生酒(なまざけ)
大多数の一般的な清酒は、上槽から出荷までのあいだに二度の火入れを行います。一回目は貯蔵して熟成させる
前で二回目は瓶詰めして出荷する直前。一回目の火入れは酵素の働きを止め成分に落ち着きを与える為に行い、
二回目の火入れは殺菌することが目的です。そのいずれも行わないのが生酒で、酵母菌が生きたフレッシュな味
わいで、みずみずしく、香りも華やかではある反面、旨みやまろみ・深みに欠けます。
生もので牛乳と同じく要冷蔵であり常温で放置しておくと急激に発酵が進み腐敗します。流通管理が難しくコス
トがかかるので値段も高めです。蔵元で直販している場合の価格は火入れした酒とあまり変わりませんが、常温
で2~3時間以内に冷蔵できない場合は、購入を躊躇してしまいます。
生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)・さき生
生とは称しているものの厳密には「生」では無い。(と思う)
一回目の火入れは行いますが二回目の火入れは行いません。
生詰酒(なまづめしゅ)・あと生
これも同じく厳密には「生」では無い。(と思う)
一回目の火入れは行わず、瓶詰め前の火入れだけを行います。
発泡清酒(はっぽうせいしゅ)
最近流行りはじめたシャンパンの日本酒版。加熱殺菌せず酵母や酵素が生きている状態で微炭酸を含んだもので
「活性清酒」ともいいます。あとから炭酸ガスを注入するものもありますが、発泡清酒のほとんどはビンの中で
二次発酵した自然の炭酸ガスで、取扱はシャンパンと同様の注意が必要です
。 にごり系やクリア系など蔵によっ
ていろいろな酒質があります。下記の酒は私の知る主なもので、その他数多くの蔵元から発売されています。
「ゆきくら」スパークリング大吟醸 玉川酒造(新潟県魚沼市)
「ぷちぷち」微発泡性清酒 末廣酒造(福島県会津若松市)
「すず音」 発泡清酒 一の蔵 (宮城県大崎市)
にごり酒
日本酒造りの最終段階において酒母、麹、蒸米が一体化した白く濁って泡立った状態のものを醪(もろみ)とい
いますが、これを袋詰めして漉して、濾過したものが清酒となります。この最終課程で、あえて目の粗い布で漉
した状態のにごった酒です。最近は清酒に後から「滓(おり)」を加えて作ったにごり酒も出回っています。
清酒と甘酒の中間のような酒で、甘みがありますがアルコール度数は以外に高い。
古酒(こしゅ)
日本酒は制度上、毎年7月1日から翌年6月30日が「製造年度」と定められていて、この期間内に出荷しものを
「新酒」と呼びます。6月より前に出荷するのを「ひやおろし」と言いますが、製造年度を越えたものは「古酒」
となります。
しかし一般にはワインやウィスキーの様に何年も寝かして熟成させたものを「古酒」と呼んでいます。製品とし
てはだいたい「3年以上」熟成させたものをいい、10年以上のものは「秘蔵酒・大古酒」と称します。
中国の老酒・紹興酒のように琥珀色でとろみがあり、味に奥行きがあります。
貴醸酒(きじょうしゅ)
日本酒の仕込み段階において、米・麹に水を加える際に清酒を加えた製法のもの。もしくは搾った麹に新しい
清酒を加えて醸造したもので、アルコール度が非常に高い状態で発酵し2~3年熟成させる濃厚な酒。
醤油でいうところの「さしみ醤油」は「再仕込み醤油」に属しますが、これの日本酒版。
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